1 文字幅×-------------- 1行の文字数-1ですので、見た目にはまったくわかりません。 ただし、これはすべてが漢字の場合です。和欧混植の場合には、ほかのスペースや 英単語のハイフネーションの影響も受けますので、この限りではなくなります。
和文組版では、ある一部分だけ文字送りを変更するというようなことがあります。 pTeXには文字送りそのものを変更する機能がありませんが、漢字間のスペースを 使って調整することができます。 たとえば、
\kanjiskip=.1zw plus.5pt minus.5ptのようにすれば、漢字間に全角幅の10分の1のスペースが追加されますので、 文字送りが全角の1.1倍になったように見えます。 逆に、つぎのようにすると、漢字間の幅が詰まることになります。
\kanjiskip=-.1zw plus.5pt minus.5ptなお、漢字間スペースは、水平リストの組み立てが一通り終了したあとで挿入される ということに気をつけてください。 つまり、段落が終了した時点、すなわち\parコントロールシーケンスか空白行を見つけたときか、 ボックスを閉じたときに、設定されている値が挿入されるということです。 したがって、一つの段落内で何度も設定を変更したり、グルーピングによって部分的な変更を しようとしても、段落やボックスの終了時の値となります。
また、漢字間スペースの自動挿入は、\noautospacing で抑制、\autospacingで許可したりすることができますが、 これらも段落やボックスなどが組み立てられた時点の状態が有効となります。
和欧文間スペースの挿入は、\noautoxspacingと \autoxspacingによって、抑制/許可をすることができます。 ただし、漢字間スペースと同様に、段落内で部分的に変更することはできません。
和欧文間スペースは、自動挿入が抑制されていなければ、 つぎの条件が整った場所に挿入されます。
日本語TeX version 1.7 p1.0.9Gで、テキスト内数式で挿入されるイタリック補正の影響で、 その数式の最後の文字と続く漢字との間に四分アキが入りませんでしたが、 バージョンp2.1以降では修正されています(1996/09/20)。
また、\refや\pagerefコマンドによって挿入された英字と、それらのコマンドに続く漢字との 間に四分アキが入らなかいというバグも報告されていますが、これはLaTeXのマクロによる影響です。 このバグについても、pLaTeX2eでは修正してあります(1995/08/25)。
そこで、文字の組み合わせによってスペースを調整するような仕組みをつけました。
なお、このスペースは、\hskipによるスペースとなっていますので、 行頭や行末などでは消えてなくなります。
また、このスペースを付けたくない場合は、その箇所に \inhibitglueを指定します。 この場合、その文字は本来の文字幅で処理されます。
pTeXではこの問題を、スペースを挿入しない文字を指定することによって解決しています。 たとえば、英文字の「(」と、続く漢字との間に、自動的に挿入される和欧文間スペースを 入れたくない場合は、
\xspcode`(=1のように指定します。すると、漢字と「(」の間には和欧文間スペースが入りますが、 「(」と漢字の間には入りません。 指定できる数値については、\xspcodeを参照してください。
逆に、\inhibitxspcodeでは、 直前、直後の英字とのスペースを抑制したい漢字についてを指定することができます。
参考に、pTeXのkinsoku.texで設定されている値をしめします。
\xspcode`(=1 \xspcode`)=2 \xspcode`[=1 \xspcode`]=2 \xspcode``=1 \xspcode`'=2 \xspcode`;=2 \xspcode`,=2 \xspcode`.=2 \inhibitxspcode`、=1 \inhibitxspcode`。=1 \inhibitxspcode`,=1 \inhibitxspcode`.=1 \inhibitxspcode`;=1 \inhibitxspcode`?=1 \inhibitxspcode`(=2 \inhibitxspcode`)=1 \inhibitxspcode`[=2 \inhibitxspcode`]=1 \inhibitxspcode`{=2 \inhibitxspcode`}=1 \inhibitxspcode`‘=2 \inhibitxspcode`’=1 \inhibitxspcode`“=2 \inhibitxspcode`”=1 \inhibitxspcode`〔=2 \inhibitxspcode`〕=1 \inhibitxspcode`〈=2 \inhibitxspcode`〉=1 \inhibitxspcode`《=2 \inhibitxspcode`》=1 \inhibitxspcode`「=2 \inhibitxspcode`」=1 \inhibitxspcode`『=2 \inhibitxspcode`』=1 \inhibitxspcode`【=2 \inhibitxspcode`】=1 \inhibitxspcode`—=0 \inhibitxspcode`〜=0 \inhibitxspcode`…=0 \inhibitxspcode`¥=0 \inhibitxspcode`°=1 \inhibitxspcode`′=1 \inhibitxspcode`″=1